継之助通信

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【稲川通信31】 桶宗の結成

三島億二郎の兄・伊丹政由が首領となった「桶宗」は、城下の若者組のようなものであったらしい。『北越名士伝』に桶宗(そこでは桶組となっている)をつぎのように紹介している。

君之ち、三間市之進・花輪馨之進・渡辺進の諸士と約し、桶組と名く。蓋し、箍桶 (けん)水を漏さざるの義に取ると云ふ。三士()と長岡の三進と称す。皆、卓抜の名あり。初め、此群に入る者三十五名、後百余名に至る。

 これによれば、河井継之助が三間・花輪・渡辺の三子と桶宗を結成したことになっている。
『三島億二郎傳』などには、小林虎三郎や川島億次郎・鵜殿団十郎など、幕末の長岡藩を背負う人材が集まったとあるから、若者の精神の陶治に一役買った集団教育であったものと思われる。もっとも野僕(やぼく)を好み、剛健、しかも勉学にいそしんだものといわれている。
『北越名士伝』では、河井継之助よりおよそ十歳くらい若い者たちが結成に尽力したことになっている。河井継之助は、のちに藩政を担当すると、この桶宗グループから登用し、改革の中心人物としたり、北越戊辰戦争では軍事掛や名隊長・使番・御金奉行などの要職に就かせていった。
 なお、この桶宗の顧問格には、藩儒山田到処(愛之助)がなっていた。首領であった伊丹政由は、その天分を発揮することなく、二十九歳で病歿し、名は世に出なかった。

(稲川明雄)

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平成29年度総会・講演会・懇親会を開催します【締切】

 

桜のつぼみも日に日に膨らんで春の訪れを感じます。

さて、記念館では今月22日(土)に総会・講演会・懇親会を開催します。

第1部

総会(午後2時~2時30分 受付開始:1時30分から)

第2部

講演会(午後2時45分~4時)

演題「河井継之助から日本の近代へ」

講師:慶応大学教授・片山杜秀(かたやま もりひで) 氏

第3部

懇親会(講演会終了後) ※会員限定・会費5000円

 

申込みは4月16日(日)までとなっております。来館・電話・FAXのいずれかでお申込みください。

詳しくはこちらをご覧ください。

開館10周年記念講演会

3月18日(土)、長岡グランドホテルにて河井継之助記念館開館10周年記念講演会が行われました。

今回の講師は気鋭の女流小説家として活躍されており、新潟日報で連載された小説「龍が哭く」の著者、秋山香乃さん。

秋山さん講演の様子

当日は天候にも恵まれ満員御礼の会場内、執筆秘話を交えての講演に聴講者の方々はメモを取りながら聴き入っていました。

講演を聴かれた方は是非記念館に感想などお寄せください!

 

有料入館者112,000人達成!

陽射しも良くなり、春の訪れをを感じます。

さて、記念館では今月13日に有料来館者112,000人目を達成しました!

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112,000人目の来館者は埼玉県からお越しの吉岡重典さん。

お仕事で与板に来られ、新幹線の出発まで時間があったので山本五十六記念館と併せて見学に来られたそうです。
「新潟市はよく来ますが、長岡市は初めて」とのことです。

とても喜んでいただけました。

暖かくなるにつれて、来館される方が多くなり、職員一同とてもうれしく感じています。
皆さま、長岡にお立ち寄りの際は是非ご来館ください。

【稲川通信30】 立志を誓う

何歳のころに、継之助が陽明学と出会ったかを知る術は、いまのところない。郷土史家の今泉鐸次郎らは、十七歳のころには陽明学を学んでいたとしている。

長岡の研究者剣持利夫氏は、継之助が幼いころ『王陽明先生出身靖乱録』を読んで感化をうけたとしている。己れの人生に王陽明を似せているところが面白い。

十七歳のときには陽明学を学んで、立志を誓明したという証拠は、二十九歳のときの自作の漢詩にある。

十七天に誓って補国に擬す、春秋二十九宿心(たお)る、千歳此の機得るべきこと(かた)し、世味知り来って長大息、英雄事を為す(あに)縁無からんや、出処唯(まさ)に自然に付すべし、(いにしえ)()り天人定数存す、好し酣睡を()って残年を送らん。

十七歳といえば元服の翌年である。そのまた前年十五歳のときには古義学を学び、崇徳館の質問生であったというから、元服を境に継之助の心境の変化があったにちがいない。

十七歳。天保十四年(一八四三)、この年、長岡藩は新潟上知という災難にみまわれる。水野忠邦(ただくに)の天保改革の一環として長岡藩のドル箱であった新潟湊が上知となった。港からあがる仲金(すあいきん)が二万両ともいわれた収入を一挙に失ってしまう。

少年・継之助にも、長岡藩の危機を悟ることができた。藩の柱石となることを、そこで誓い、鶏を割いて陽明を祭ったというのだろうか。

(稲川明雄)

150520